直接請求活動を振り返って

 2012年10月11日、浜岡原発県民投票条例案は県議会で否決されました。 浜岡原発の再稼動について意思表示をしたい、ふるさとの将来に関する重大事について意見を言わせてほしい、という県民の素朴な願いは実現されず、本当に残念な結果となりました。

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県民の素朴な願いと市民の手づくりで集めた18万1543筆

「本当に大切なことは県民が決めよう!」と、特定の組織や団体に頼らない市民手づくりで進めました。 活動メンバーは普通のおじさんおばさん、お母さん達が中心。 その活動は、これまでまったく経験のない難しい署名活動に苦心惨憺し、必要署名数が集まるか危機感を抱くほどの状況が続きました。 しかしながら、炎天下や雨天にも繰り広げられた努力によって活動は日増しに盛り上がり、最終的には、18万1543筆(県選管集計)もの署名を集めることができました。

議会と知事に翻弄された民意

条例案は9月県議会に提出。それまで県民投票に否定的だった知事が突然県民投票に賛意を示しました。 一瞬、驚きと共に大きな希望を抱きましたが、同時に条例案のあらぬ「不備」を問題として持ち出してきました。「落ち度や不備があるのならば、おわびも兼ねて説明しないといけない」等の知事の発言は重大な不信感を招きました。 その後議会では、議員の手で修正案が提案されましたが、今度は当初案と修正案がかけ離れているという、理由にならない理由で否決。 署名者の願いと努力は、ただただ宙に浮かされ、行き場を失うという結末で踏みにじられる事となりました。

新たな出発とさまざまな活動の展開

 地方自治法に則った今回の直接請求活動は、県議会の議決を受けて終了しました。そのため、役割を果たせないままですが「原発県民投票静岡」は活動を終了し解散することとなりました。 しかしながら、今回の活動で培われた“絆や思い”は終わることはありません。 今回の活動を土台にして、新たな運動が芽生え、さまざまな活動が始まっています。

「県民投票静岡」の活動記録

2011年

05月25日
『みんなできめよう「原発」国民投票』設立
06月11日
菜の花パレード浜岡(静岡市の葵スクエアに250人参加)
9月
『みんなできめよう「原発」国民投票』静岡県調整委員設置(佐久間章孔)
10月~
県民投票請求運動準備会開催(『国民投票』運動&菜の花パレード参加者)

2012年

01月30日
県民投票静岡の事務局会議始まる(毎週月曜日)
2月
『国民投票』運動今井一事務局長より、鈴木望氏・前(当時)磐田市長を代表者候補として紹介され、共同代表制を決定
02月14日
県民投票の取り組みを共同代表が記者会見で発表
3月
県民投票事務局と県の自治行政課の交渉 3月より7月まで、県の記録に残っているもの8回、それ以外を含めると10回以上行われる
04月27日
請求代表者証明書の交付申請と県民投条例案の提出
04月29日
伊東・三島・富士宮・静岡・浜松でオープニングイベント開催(講演会・シール投票・受任者募集など)
県民投票スタートミーティング(請求代表者・各地の担当者などが協議)
05月13日
署名活動開始(受任者説明会・街頭署名・スーパー店頭署名・街角ステーション開設
06月16日
折り返ししミーティング
06月23日
静岡市青葉公園イベントに河村名古屋市長・三上湖西市長・上原前国立市長出席
浜松市で浜松地域の折り返しミーティング(スグキコージさんとのトークセッション)
06月24日
地元である御前崎市で受任者説明会開催
07月11日
署名活動終了
07月23日
県選挙管理委員会に署名提出
08月13日
署名数16万5127人が確定、と選挙管理委員会が発表
08月27日
県民投票条例の制定を求める請求を行い、署名簿を提出
川勝県知事が県民投票に賛成の意思を表明
08月31日
静岡県が条例案に不備があると発表
09月20日
県議と語るつどい(富士宮市)
09月03日
条例案の不備問題で反論の記者会見
09月10日
条例案の修正案を提出
民主党ふじのくに県議団が議員総会で議論
自民党改革会議が勉強会を開催
09月13日
民主党ふじのくに県議団、議員総会を開くが意見集約に至らず
09月15日
県議会議員と語るつどい(静岡市)
09月17日
清水区選出県議との茶飲み座談会
09月19日
県議会開催 知事が賛意を添えて県民投票条例案を提出
原発県民投票静岡から5名が意見陳述
09月22日
県議と語るつどい(静岡市)
09月24日
県議会代表質問で、自民党と民主党の議員が県民投票をとりあげる
09月25日
自民党改革会議が修正案を提出しない方針を固める
09月26日
自民党改革会議 鈴木代表を招いて勉強会を開く
民主党ふじのくに県議団、修正案を提出しない方針を固める
09月28日
民主党ふじのくに県議団、結論を先送りすることを決める
原発県民投票静岡 条例案の修正を求める要望書を全県議あてに提出
10月02日
民主党ふじのくに県議団、修正案を提出しないことを決定
10月03日
県議と語るつどい(静岡市)
10月04日
県議会総務委員会 県民投票条例について集中審議
鈴木代表 江藤山梨学院大学教授などから意見を聞く
10月05日
県議会総務委員会 集中審議ののち、全員一致で原案を否決
民主党ふじのくに県議団の有志、修正案を提出することで合意
県議と語るつどい(御前崎市)
10月09日
民主党ふじのくに県議団の有志、修正案を発表
10月11日
県議会は本会議で県民投票条例を原案・修正案とも否決
10月19日
原発県民投票静岡、県知事が12月議会に修正案を提出するよう求める要望書提出
10月22日
県知事 修正案を提出しない考えを明らかにする
原発県民投票静岡はインターネットで行った世論調査結果を発表 六割以上が条例案に賛成
10月28日
原発県民投票静岡 請求代表者会議で解散を決定
10月29日
原発県民投票静岡 県議会に条例案を提出するように求める要望書を知事あてに提出

2013年

06月17日
県知事選で、原発県民投票の実施を公約にした川勝前知事が当選

記録集